“一女”の略称で親しまれる浦和第一女子高校は、東京大学をはじめとする難関大学に毎年複数の合格者を輩出しており、埼玉県の公立高校を代表する進学校です。それだけ入試の難易度も高いといえますが、ひるんでしまっては何も始まりません。今回は、浦和一女を目指すうえで把握しておくべき入試データや、勉強法の簡単なアドバイスをお伝えします。
浦和一女の合格最低点は非公開……内申点の得点化の仕組みや、学力検査との比率は?
浦和一女を含む埼玉県の公立高校入試は、英語・数学・国語・理科・社会の5教科(各100点満点)で実施されます。
特徴的なのは、英語と数学が「学力検査問題」と「学校選択問題」の2種類に分かれていること。シンプルにいえば学力検査問題は基礎的な内容、学校選択問題は応用的な内容がメインで、各学校がどちらかを採用するシステムになっているのです。
浦和一女の入試で解くのは、後者の学校選択問題。2025年度入試で学校選択問題を採用したところは全部で22校あり、次の表にまとめました。
共学校 | 男子校 | 女子校 |
大宮、大宮北、市立浦和、不動岡、蕨、所沢北、浦和西、川口北、熊谷西、越ヶ谷、越谷北、所沢、和光国際、川越南、川口市立 | 浦和、川越、春日部、熊谷 | 浦和第一女子、川越女子、熊谷女子 |
浦和高校や大宮高校といった名前を見れば察しがつくように、進学実績が優秀な学校の入試は、ほぼ学校選択問題だと考えてよいでしょう。そんな学校選択問題は
①学力検査問題と共通の問題
②学力検査問題の難易度を高めた準共通問題
③独自のハイレベルな問題
という構成になっており、②と③が大半を占めます。①を取りこぼさないのはもちろんのこと、②と③にどれだけ食らいついてライバルに差をつけられるが、合格のカギを握るということですね。
また、入試では当日の学力検査の得点だけでなく、学校の内申点も選抜に影響することを忘れてはなりません。学力検査は一度しか行われないものの、選抜は一次と二次に段階分けされており(※三次までの高校もある)、各学校がそれぞれに設けた基準で合否を判定します。浦和一女の2025年度入試は、下記のような選抜基準になっています。
浦和第一女子高校 | 基礎点 | 一次選抜 | 二次選抜 | |||||
換算点 | 割合 | 換算点 | 割合 | |||||
学力検査(5教科) | 500点 | 500点 | 60% | 500点 | 70% | |||
内申点 (調査書) |
合計 | 335点 | 335点 | 40% | 215点 | 30% | ||
内訳 | 学習の記録の得点 | 180点 | 180点 | 22% | 116点 | 16% | ||
特別活動等の記録の得点 | 120点 | 120点 | 14% | 77点 | 11% | |||
その他の項目の得点 | 35点 | 35点 | 4% | 22点 | 3% | |||
合計点数 | 835点 | 100% | 715点 | 100% |
募集定員のうち、一次選抜では60%、二次選抜では40%が入学許可候補者に選ばれますが、合格発表のタイミングは一次も二次も一緒です。残念ながら、合格最低点は例年公表されていません。
大前提として、浦和一女には「学力検査の結果を特に重視した選抜を行う」という基本方針があり、学力検査と内申点の比率は一次選抜が6:4、二次選抜が7:3。学力検査で高得点を取れば取るほど有利になるのは、浦和高校や大宮高校といった難関校の共通点だといえるでしょう。
ただ、学力検査で失敗してしまったとき、内申点のおかげで命拾いするというケースもありえます。浦和一女の内申点は「学習の記録の得点」(1年:2年:3年)が1:1:2という比率になっており、3年の成績が最重要です。学校の定期テスト対策と受験勉強の両立は大変ですが、ここぞというときの集中力を発揮しながら乗り切ってください。
続いて、「特別活動等の記録の得点」についてご紹介します。これは生徒会役員、文化祭や体育祭などの実行委員、部活動での全国・関東・県大会への出場・出展といった実績が評価され、得点が与えられる仕組み。しかし、何をすれば何点になるのかという内訳は不明です。
「その他の項目の得点」としては、英検準2級以上や漢検2級以上を持っていると加点対象になるものの、こちらも詳しい得点化ルールは学校のみぞ知るところ。これらの資格を取るために勉強するのもいい経験ではありますが、あまりアテにしすぎるのは割に合わないかもしれません。
引用元:埼玉県立浦和第一女子高等学校公式サイト「令和6年度入学者選抜 浦和第一女子高校(全日制)選抜基準」
浦和一女の入試問題の難易度や、近年の傾向は? 過去問演習は必須!
英語と数学の2教科だけとはいえ、浦和一女の入試では学校選択問題を解かねばならないのがハードルの高いところです。日頃の勉強で標準的な問題ばかり解いていても、学校選択問題に対応できるようになるかは怪しいでしょう。
近年の出題傾向として、例えば英語の長文読解(大問3)では、学校の教科書に出てこない単語が注釈ナシで登場するようなことが珍しくありません。栄東高校や淑徳与野高校、開智高校といった浦和一女の併願校となりやすい私立高校の過去問などを演習し、さまざまな英文に触れるトレーニングを積んでください。
数学でいうと、複数の単元の横断が求められる新傾向問題もあれば、2021年度入試の動点問題(大問5)のように、しばらく出題されていなかった分野が急に復活することもあります。浦和一女の受験者間でも、数学はとりわけ差がつきやすい教科ですので、過去の出題パターンを知識として吸収しつつ、実際の計算で応用できるよう慣れておくのが理想です。
浦和一女の偏差値や倍率、来年度入試の募集人数は? 合格発表などの日程も確認!
浦和一女の偏差値は70超えで、2024年度の入試倍率(※)は1.38倍。ご参考までに浦和高校は1.46倍、大宮高校は普通科が1.49倍で、理数科が2.55倍でした。
2025年度入試の募集人数は例年どおり360人です。2025年1月27日( 月 )~2月10日(月)にインターネット出願をしたあとは2月26日(水)に学力検査を受け、3月6日(木)に合格発表という日程になっています。今から明るい未来を目がけて走り抜けましょう。日程の詳細は下記サイトにて確認してください。
※データ出典:埼玉県教育委員会公式サイト「令和7年度埼玉県公立高等学校入学者選抜に関する情報」
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