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スクール21 blog 記事詳細
2013年3月11日
カテゴリ:イベントのご案内
一旦学校に登校して、クラスの友人と駅に向かう。加奈とは反対方向なのでホームで分かれた。私の受験校まで3駅。そこから歩いて20分。意外とコートを着ている人は少ない。たった1週間前の入試の日よりも少し風景が変わっている。ほぼ全員がマフラーを巻きマスクをかけている。感染予防だろう。私もインフルエンザの予防接種は受けたが、毎日外を歩くときはマスクをするようにしている。受験を通して身につけた健康管理、体調管理は、受験を終えて1週間経った今も続けている。今は幹と枝だけになった街路樹が規則的に並んだ一本道の歩道を歩きながら息を整えた。
今日家を出るとき、母は気を遣ってくれたのかどうなのかわからないが、いっしょに行こうかと言ってくれた。
「ううん。一人で見に行きたいから・・・。大丈夫だよ。ありがとう。」
「結果わかったらすぐに連絡頂戴よ。気が気じゃないから!」
「うん、わかった。どちらにしてもいちばんで電話入れるから。」
「あなた、発表一人で見るの?」
「うん、たぶん、だれにも会わなければ。大丈夫だよ!」
「わかった。信じてるから。」
ほんの十数秒の会話が自然と思い出された。
校門が見えてくる。この門をくぐるのは5回目だ。
1回目は昨年文化祭に来たとき、2回目は中3の夏休みの学校説明会、3回目は出願に来たとき、4回目が先週の学力検査、そして今日の発表が5回目だ。いろんな季節を経験した。はたしてこの季節の巡りを、在校生徒として経験することができるのだろうか、そんな思いを抱きながら掲示板のほうに歩を進める。
発表時刻の9時まではまだ10分ほどあったが、すでに人だかりができている。
私は受検票を右手に握りしめ(受検番号はもう頭に焼き付いているけど)、発表の時刻を静かに待った。
ちょうど9時。4人の先生が、大きな板を2枚、1枚当たり2人がかりで運んできた。番号が書かれた紙が貼ってある。人だかりが小さく縮まる。前方のいくつかの場所で歓声が上がる。私の位置からはまだ掲示板を確認できない。漸く巨大な板2枚が高々と掲示され、塊の真ん中にいる私の位置からもほとんどの面が見えた。
1番から見ていく。1番から10番まで合格している。あわわっと思いながら先を進める。別に1番から見る必要なんて何もないけど、うろたえているのかもしれない。数字が3ケタになった。もうすぐ自分の番号がある、あるはずだ、あってくれぇーお願いぃぃぃぃぃー!
って、手を握りしめて目をつぶってては確認できない。しかし一度固く閉じてしまった瞼は簡単には開かない。必死の思いで目を開いた。細目で3けたの数字を追う。時折ピントが合わずぼやけてしまう。
102
103
109げっ、いっぱい飛んでる・・・
112
114
115
116
1 2 3 あった!いきなり来た!
たぶん大丈夫だろうとは思っていた。
でもこんなに緊張するなんて
こんなに自分の番号がいとおしくなるなんて
こんなに合格って嬉しいなんて
まったく想像していなかった。
人ごみから少し離れたところで母の携帯電話へ発信した。0.5回のコールでつながった。
「もしもし?」
「もしもし、トモエ?どうだったの?」
母の声が聞こえたとたん、それまで心の中でかみしめていた喜びと安堵とよくわからないこみ上げる感情が一気に体の中からあふれ出てくる。上手に言葉を発することができない。
『お母さん、合格したよ。本当にありがとう!』って言っているつもりだけど、口だか声帯だかがうまく動かない、言葉が音声にならない。
「お、お・・・・・あぉね・・、おぉーわくじたぁ・・」
「あんたしっかりしなさい!ちゃんとしゃべって、お願いだから!」
「・・・ぐぉーあくぅ・・・」
「合格なのね」
「うん」
この言葉だけは何とか伝わった。
「濱口先生には連絡したの?」
「ひっく・・・まだ、これから」
「じゃあちょっと落ち着いたらすぐに電話入れなさいね。本当によかったわね。おめでとう!」
あとはどんな会話をしたのか覚えていない。会話になってなかったかもしれない。たぶんそうだろう。
結局塾に電話を入れたのは15分後だった。
電話に出たのは濱口先生だった。
「谷川です。合格しました!」
「谷川さん、そうかーおめでとう、本当によかったね。」
これまでで一番大きな先生のうれしそうな声のうしろで、おそらく13人の先生たちだろうか、大歓声が起こっていた。電話口のまわりにたくさんの先生たちがいたのだろう。たくさんの声が重なってが受話器から聞こえてきた。
10分くらい話していたと思う。何人かの先生と代わる代わる。会話の内容はほとんど覚えてない。でも、私は“ありがとうございました”を100回は言った、そして“おめでとう”を少なくとも200回は受け取った。